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What Blog will be like?

各所でブログ論議が盛ん(例えばココ)ですが、私の思うことを少し。

以前、SFは科学者が実現すべき目標であると書いたことがありますが、1985年に出版された"Ender's Game"というSF小説に未来のブログ像が書いてあるので紹介します。


cover
(このリンクは日本語訳の本です)

あらすじ:

宇宙からBuggerという虫形態のエイリアンの侵略を2回受け、辛くも生きのびた人類の反撃を描いたSF。
主人公のEnder (Andrew)は、姉のValentineを除くすべての人に疎んじられて生きてきたが、その能力の高さを買われ若干6歳で軍の士官学校に入る。その後、彼の才能への嫉妬から苛められるが、能力が認められ、どんどん’昇進’していく。ついには、参謀候補の学校に入り、伝説のベテランから指導を受けることなる...


最終的に、”あっ”と驚く方法で絶望的なエイリアンとの戦争に勝利するのですが、全然爽快感がありません。
しかし、この戦争の後日談によって、この物語は他のSF小説と一線を画す名作になったと思います。

ハリーポッター以外で初めて英語で読んだ小説でしたが、最近のハリーポッターより断然面白かった。
SFファン必読だと思います。(早川から日本語訳が出ていますので英語でなくても読めます。)

ここから本題です。

この小説が出版された頃はまだ、インターネットの概念も一般に広まっていなかったと思います。

この小説の中で、主人公(Ender)の兄(Peter)と姉(Valentine)が、中学生なのに、’ブログ’を使って、世界の政治経済の論者(大人)を演じます(最初は、書く文章が子供っぽくて相手にされなかったが次第に上手になって大人と認識されるようになります)。

兄のPeterは、非常に頭の切れる人物で、インターネットを使って集めた情報から政治経済について分析し、まず妹のValentineに、急進的な政治論者(Demosthenes)を演じさせます。
Demosthenesが人気を獲得した所で、自分が演じる穏健派のLockeを登場させ、Demosthenesを凌駕しているところを’自作自演’し、民衆の人気を不動のものにしていきます。
最終的に、Peterは若くして最初の宇宙政府(Hegemon)の首相になります。

ブログインターネットという言葉は全く出てきませんが、今の認識ではそう呼ばれて然るべきものです。

まとめると、ブログとネットの匿名生により、書く内容によってのみ人物が評価され、”子供”でも世界を動かす程の影響力を持つことができる世界が、このSF小説において’予言’されています。

今や、”ひらがなぶろぐ”のように小学生がブログできる時代なので、近い将来、優れた子供達が政治経済をリードしていく時代が来るかも知れません。

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