International Conference 2
その1はコチラ
英語プレゼンテーションについて
以前英語のプレゼンテーションのやり方について書いたことがありますが、国際学会と言えども分かってない人がたくさんいてビックリしました。
そこで、今回見たプレゼンの中で悪かったところを、書いてみたいと思います。
要は、学会の参加費が9万円もした(会社のお金ですけど)のに、たくさん下手くそな発表を聞かされたウサ晴らしです。 ;)
まず、練習(プラクティス)については、よくできていると思いました。
すくなくとも、よどみなく喋れていました。
しかし、皆さん106を英語で何と言うかご存知ですか?
ten to the power of six
が、少々くどいですが誤解の少ない言い方です。
また、2乗、3乗の場合は、squared、cubedという言い方もできます。
例:
x2 - x squared
x3 - x cubed
参考リンク > English Cafe 英語で数学、物理
結構、これで詰まっている人がいました。
慣れてない人は、原稿を言うまま書いておいたほうが良いということです。
練習のときはどうしてたんでしょうか?
かく言う私も、大学の授業でずっと、X'、X''が分からず困りました。
それぞれ、x prime、x double primeと言います。
ちなみに、ダッシュは、-を意味します。
あとイギリス英語だけかもしれませんが、0.02は、
noght point nought two
(前はnot point not twoって書いてましたが、本当はコレが正しいです。
ご指摘ありがとうございます。 > West様)
と言い、zeroと言いません。zeroでも通じますけど、notの方がカッコ良いと思います。
次に、アイコンタクトは結構みんなできてました。
そして、資料については、数人OHPであとは全員Power Pointでした。
最近の学会はPower Point向けにセッティングしてあるので、OHPは、上手く写すのが難しいようです。
Power Pointは、見た目綺麗ですが、傾向として組織や会社のロゴ入りのスライドが多くて、本文の面積が小さくなっている場合が多いようです。
"初めに、どこの所属か言ってるんだから、1枚1枚組織のロゴを入れんでもええやろー"と心の中で叫んでいました。
中には、本文が枠に入らず、枠のロゴにかぶっている人がいました。
どうしてそこまでロゴにこだわるんでしょうか?
また、主に英語の苦手な日本と韓国の人の発表について言えることですが、抑揚が無くてどこが重要かわからないケースがありました。
原稿丸覚えの一本調子では、眠くなるだけです。聞いて欲しかったら、聞きたくなるような話し方をして下さい!
最後に、半数以上の人が自分の制限時間を守っていませんでした。
20分のタイムリミットなら、15分が発表で残りの5分が質疑応答なのは常識でしょう!
20分まるまる発表する人が多くて、ホント辟易しました。
だいたい、長すぎる発表はポイントが絞れてなくて、記憶に残りませんし、数式を何個も出して説明されても、聞く気がしません。どうせなら、もっとビジュアルにうったえ、感覚的な説明で、明快かつ簡潔に説明しましょう。
その他、proceedings(会報)に論文だけ載せて発表しに来ない人がいてビックリしました。
他の参加者に聞くと、中国等の研究者は、会報に論文を載せることを目的にして、それだけで周りから十分評価されるそうです。
今回は、ベルギーだったので、前回のイギリスと違って料理も美味しくて、会社か大学のお金なら是非来たくなるような会議なのに、もったいないことをするものです。 ;)
それと、前回も書きましたが、日本人の発表を3人聞きました。
1人は英語が不得意な人で残りの2人は英語がかなり流暢でした。
しかし、その流暢にしゃべる日本人の発表は最悪でした。
何が悪いって、発表内容が会議の趣旨からかなり遠いもので、会場全体が引いていました。
2人とも大学からの発表だったので、実際の産業界が何を求めているのか分からなかったのでしょうか?
また、その内の1人が、Anyway(とにかく)を連発して、非常にイライラしました。
多分発表中100回位(ちょっと言い過ぎか)言ってました。
ご存知かもしれませんが、英語では、同じ単語を何回も使うのが嫌われます。
シソーラスという同義語辞典があるくらいなので、同じ意味でも違う単語または、表現を使うことが一般的です。
しかも、Anywayって言ってしまったら、理論の構築を放棄することになるなので、客観性に欠ける内容であると宣言しているようなものです。
練習の時、誰かに聞いてもらわなかったんでしょうか?
いろいろ、悪口を書きましたが、有名な研究者は、やはり殆ど文句のつけどころが無かったです。
普段ケンブリッジに招待されるような研究者は、このような人ばかりなのですっかり目が肥えてしまったのでしょう。
なので、上のような感想になったのだと思います。
というわけで、今回の学会は、プレゼン反面教師の宝庫として非常に有意義でした。 ;)
こうやって、悶々と思っていることを書くと凄く気分が良いですね。
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一時は、ベスト30を外れてもう駄目かと思ったこともありましたが、やっと盛り返すことができました。
これもひとえに、ありがたい読者の皆様のおかげです。
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Comments
"not point not two" は初めて知りました。
勉強になったので、投票しておきました (^-^ )
プレゼンは英語力がどうとかいう問題では無いですよね。
欧米人はアジア人(僕含む)に比べてプレゼンへの意識が
高く、訓練を受けている事も多いため、プレゼンが上手な
人が多いような気がします。
特に凄いと思う事が多いのはIntroductionですね。
逆にどうかなと思うのはRedundancyでしょうか。
英語で聞く分には、重要なポイントを何度か繰り返して
くれるので、非ネイティブにはまあ有り難いですが、
日本語で同じようにプレゼンしたら、鬱陶しがられる
ような気もします・・・
Posted by: kntmr | 29.06.2004 02:37 PM
コメント&投票ありがとうございます。
多分アメリカもそうだと思いますが、イギリスでは、学生のは殆どがプレゼンのコースを受けてます。
日本でも学校で教えないと、全体的なレベルアップは難しいと思います。
良いイントロ(いわゆるつかみ)は、確かに難しいですが、そこは、頑張りすぎても後で肩透かしを食らわしてしまうので、普通でもいいと思います。;)
あと、繰り返すことは、日本でも重要だと思います。
自分の専門以外のことは、理解度が低いので、聴衆の反応を見ながら平易な言葉で言い直すことでより多くの人に興味を持ってもらえると思います。
私は、会社で留学帰りの人が、上手いRedundancyの使い方をして説明していたので真似するようにしました。
くどくならない言いまわしが重要だと思います。:)
Posted by: poohotosama | 29.06.2004 03:47 PM
"上手いRedundancyの使い方"は今のうちに学んでおきたい
物です。プレゼンやコミュニケーション系の授業は必須・
選択を併せると、既に結構取っているのですが、
聴衆の反応を見ながらうまくRedundancyを使うというのは、
たった15名程の聴衆であっても、とても難しいです。
Posted by: kntmr | 30.06.2004 12:50 PM
私の経験から言うと、反応を見なくてはいけないのは、学会なんかだとその道の権威の人、会社の会議だとお金を握ってる人だけです。
うちの会社だと、部長さえ納得させれば、後は上意下達で他の人に説明する必要はなくなります。もちろん、中間管理職の追求をうまくかわして見せなくては納得してもらえませんが。
とりあえず、限られた時間で全員に分からせるのは、非常に難しいので、的を絞ることが大切だと思います。
Posted by: poohotosama | 30.06.2004 09:53 PM
Tips、ありがとうございます。
確かに言われてみれば、会社では意思決定者を
気にしながら、なんとかうまくプレゼンしてました。
そういう意味では、授業中のプレゼンなんかは、教授
をメインの聞き手と考えて、教授の教えてきたポイント
を抑えて、教授が喜ぶようにプレゼンさえしてあげれば、
万事OKということになりますか。
Jokeに関係ない事で引っ張ってしまってすいません。
Posted by: kntmr | 01.07.2004 11:25 AM
こちらこそ、何回もコメントありがとうございます。
プレゼン技術を日本で語るチャンスはほとんどないので、こういう議論ができるのは非常に面白いです。
Jokeのほうもよろしくお願いします;)
Posted by: poohotosama | 01.07.2004 03:29 PM
はじめまして。
いつもジョークを楽しみにしていますが、こういった学会や論文関連の記事も勉強になります。
ところで、
>あとイギリス英語だけかもしれませんが、
>0.02は、
>not point not two
>と言い、zeroと言いません。zeroでも通じますけど、notの方がカッコ良いと思います。
という部分なのですが、notでは無くて、naught(nought)ではないでしょうか?
初めての投稿がこんなのですみません…
Posted by: West | 05.07.2004 10:02 PM
> West様
コメントありがとうございます。
そのとおりです。
ずぅっとnotだと思ってました(そう聞こえるので)。
お恥ずかしい。こそっと直しておきます。;)
Posted by: poohotosama | 05.07.2004 10:15 PM